火災の発生条件(燃焼の三要素)
可燃物(燃えるもの)
木材、紙、布、プラスチック、ガソリン、アルコールなど- 酸素(助燃物)
空気中の酸素(通常21%)が燃焼を助ける - 熱源(熱エネルギー)
マッチ、ライター、静電気、電気火花、摩擦熱、警戒した機械など
火災の主な原因
放火・不審火
- 意図的に火をつける放火は、火災原因の上位に入ることが多い。
- 不審火(原因不明な火災)も含めて、住宅や倉庫などで発生することが多い。
たばこ
- 吸い殻の不始末(灰皿の中の紙くずや布に着火)
- 寝タバコによる布団やカーペットへの引火
電気火災
- ショート(短絡):電線同士が直接接触して発熱し、発火する。
- 過電流・過負荷:コンセントの使い過ぎでコードが警戒し発火する。
- トラッカー現象: コンセントに溜まったホコリが湿気を含み、放電・発火する。
こんろ・ストーブ火災
- ガスコンロ:鍋の空焚き、油の加熱しすぎ(発火点を超える)
- ストーブ:灯油漏れ、近くの可燃物(カーテン、衣類)への接触
- IH調理器:誤操作や周囲の可燃物の加熱
ガス漏れ・化学反応
- プロパンガス・都市ガス:た漏れガスが火花で引火し爆発
- 化学物質の発熱反応:油や可燃性物質の自然発火
摩擦・自然発火
摩擦熱・静電気
工場などで可燃性の粉塵が静電気で着火- 自然発火
油を含んだ布や紙(塗料・洗濯用の油)が熱を抜く火し発火
火災の進行メカニズム(フラッシュオーバー)
初期火災(着火)
- 火がついたばかりの段階で、まだ小規模の事。
- この段階で消火すれば被害を極力抑えられる。
成長期
- 炎が拡大し、周囲の可燃物にも引火します。
- ガス燃焼(煙)が天井付近にたまり、室内温度が急激に上昇。
フラッシュオーバー(大幅燃焼)
- 室内の温度が約500〜600℃に達すると、可燃物が一気に引火します。
- 炎が全体を包み、爆発的に広がる部屋。
盛期火災(燃焼のピーク)
- 全体が燃えて、消火が困難な状態。
- 高温の炎と煙により、避難が非常に危険になります。
減衰期
- 可燃物が燃え尽き、火の勢いが徐々に弱まる。
- 「バックドラフト」(酸素が供給されて再び爆発的燃焼する現象)が起こる危険もあるに注意。
火災の防止策
住宅での火災予防
火の元をしっかり管理する
- タバコ:吸い殻は水に浸けて完全に消える。
- コンロ・ガス機器:調理中はその場を離れない、コンロの火は消す。
- ストーブ:可燃物(カーテン・衣類)を近くに置かない。給油火を消す。
- 仏壇・ろうそく:使用後は必ず消火し、周囲に燃えやすい物を置かない。
電気火災を防ぐ
- コンセント周辺の点検:ホコリが溜まると「トラッキング現象」が起こるので定期的に掃除する。
- 電源コードの管理:異常な配線や断線したコードは使用しない。
- 化製品の使用ルール:長時間の電気の使用を避け、使用後はコンセントを抜く。
防炎対策をする
- 住宅用火災警報器の設置:煙や熱を感じて警報を鳴らし、早期発見に役立てます。
- 消火器の準備:台所やリビングに設置し、使い方を確認しておく。
- 防炎製品の活用:防炎カーテン・防炎マットを使用すると燃え広がるを抑えられます。
職場・工場での火災予防
作業場の整理整頓
- 可燃物(紙・布・油・薬品)を適切に保管し、不要なものは処分する。
- 火花が出る作業(溶接・切断)では、可燃物を遠ざける。
電気設備の点検
- 機械・配線の定期点検を実施し、異常があればすぐに修理する。
- 過負荷運転を防ぐため、機械の仕様を守る。
防火管理の徹底
- 避難訓練や消火訓練を定期的に実施する。
- 消火器・スプリンクラーなどの防火設備を定期点検する。
- 喫煙場所を決め、指定場所以外では禁煙とします。
屋外・イベント時の火災予防
バーベキュー・焚き火
- 風が強い日は危険にて中止にする。 実施する時は消火用の水を準備する。
- 完全に火を消す(十分な水をかける)
花火
- 林野・森林近くや住宅密集地では行わない。バケツに水を用意し、終わった花火は水につける。
- 気軽な気持ちで花火をしないように注意する、風向きや飛び火に注意。
山火事防止
- タバコのポイ捨てをしない。
- 野焼きをする場合は自治体のルールを守る。
-
近くで、バーベキューや焚き火はしない
火災発生時対策(万が一のために)
初期消火
- 消火器を使う(使い方:「ピンを抜く → ホースを向ける → レバーを握る」)。
- 火が小さいうちに水や消火剤で消火活動(天井に火が届いたら消火困難)。
速やかな避難
- 119番通報をし、火災報知器がある場合は作動させます。
- 煙を吸わないように、姿勢を低くして避難する。
- 避難経路を確認し、エレベーターは使わず階段を利用。
防火設備の活用
- 消火栓やスプリンクラーの位置を日常から確認。
- 防火扉を切って煙の広がる火を防ぎます。
リチウム電池の火災のリスク
リチウム電池火災の原因
過充電・過放電
- 過充電すると内部の温度が上昇し、電解液が分解されてガスが発生し発火。
- 過放電(電池を空にする状態)も内部の化学反応を不安定にし、短絡(ショート)をする可能性がある。
ショート(短絡)
- 電池のプラス・マイナス端子が金属と接触するとショートし、異常発熱・発火します。
- 破損した電池を使うと内部のセパレーターが損傷し、短絡の原因になります。
外部からの衝撃・圧力
- 電池を落としたり、強く押しつぶすと内部構造が壊れ、短くして発火します。
- リチウム電池を誤って踏んだり、圧縮したりしないようご注意ください。
高温環境での使用・保管
- 勝負日光が当たる場所や、炎天下の屋内に放置すると発火のリスクが高まります。
- 一部の電池は60℃を超えると内部の化学反応が暴走(サーマルランアウェイ)し、爆発的に発熱・発火する。
火災を防ぐための使用上の注意
充電時の注意
- 純正の充電器を使用する:非純正の充電器は適切な電圧・電流制御ができない場合がある。
- 充電中は目を離さない:寝る前や外出時に充電し続けない。
- 異常発熱している場合はすぐに使用をやめる。
保管方法の注意
- 高温多湿を好む:日光、炎天下の室内、暖房機の近くには置かない。
- 金属と一緒に保管しない:コインや鍵と一緒にポケットやカバンに入れない(ショートの危険)。
- 破損した電池はすぐに廃棄:膨張らんだり、液漏れしている電池は使用しない。
取り扱いの注意
- 落ちたり、強い衝撃を与えない。
- 防水仕様の電池は水に濡らさない。
- むやみに分解・改造しない(内部のリチウムが酸素と反応し発火の危険)。
リチウム電池火災発生時対応
初期対応
- すぐに電池を遠ざける:発煙・異常発熱を感じたら、可燃物から遠ざける。
- 消火器(ABC粉末消火器)を使う:水では消火できない場合がある。
- 中規模な火災なら大量の水で冷却:電池が高温になり続けると二次発火の危険があるため、水をかけ続けて冷却。
避難の判断
- 煙が多い場合や火がそう広がるならすぐに避難し、119番通報する。
- 消火が難しい場合、無理に対応せず、安全な場所に退避する。
リチウム電池の正しい廃棄方法
- 自治体のルールに従って処分し一般ごみとして捨てない。
- 端子テープで絶縁する可能性がある(ショート防止)。
- 家電量販店などに設置されている、リサイクル回収ボックスを利用。
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